□会社について
1977年〜1983年の7年間程度の製作でした。製造元は、長野県松本市のヘッドウェイ株式会社で、総販売元は、(株)クロス楽器で した。月産は、100本程度だったようです。会社設立前、現会長の八塚氏は、Riderブランドにて、ギターの販売されていましたが、製造は、他社(林ギ ター)による委託生産でした。委託生産での限界を感じた八塚氏は、林ギターにてギター製作をされていた百瀬氏を誘い、1ヶ月間掛け説き伏せ、77年に自社 工場としてヘッドウェイ工場を設立しました。百瀬氏を誘ったのは、Riderの生産委託での仕事を通じて、その腕を見込んでと、ギター製作に掛ける姿勢に 共鳴するものがあったからとのことです。当初、ギターの製作は、3人で始められたそうですが、後に10人程度まで増やしたそうです。77年の年末には、プ ロトタイプ(おそらく、HD-108)を3本作ったのみだそうです。このギターが78年正月明けに3日で売れたことから、本格生産を開始したそうです。 従って、本格的なギター製作は78年初頭からということになります。尚、Headwayで使用していたペグは、全てゴトー製とのことです。
現在、Headwayの名前で復刻モデルを販売している会社は、(株)ディバイザー・コーポレーションですが、当時のヘッドウェイ株式会社の社長 (八塚氏)が経営されています。ヘッドウェイ株式会社も製造部門として存続し、バッカス等、自社ブランドのエレキギター・エレキベースの生産を始め、数多 くの他社国産ブランドギター・ベースのOEMを手掛けています。
現在(2002年)、アコースティック・ギターとしては、ヘッドウェイブランドとして、国産の高級品として復活をしており、また、中国製のものとし
て、ライダー及び、ヘッドウェイブランドのものがあります。
当時の会社案内画像は、ここ!
□噂話・・・
1.当時、あまりにいいギターを作っていたため、反感を買い?、工場を2回放火された。
<回答>
「反感の買い・・」というのは、事実と違うようですが、2ヶ月ぐらいの短期間に立て続けに放火があったことは事実とのことです。特に1回目の時は大きな火
事で、工場が全焼したとのこと。工具や材料がなくなってしまったことや、アコギが売れにくくなったという時代背景の中で、事業の整理をされたということで
す。
2.一時、中島みゆきさんが使っているのを見た・・・。
<回答>
中
島みゆきさんが使っていたというのは、事実のようです。 こ
こを見てください! ギターは、HJ−908です!
3.ギター製作時には、数百万円するMartinギターを入手し、分解して構造を研究した。
<回答>
Headwayを始めるに当たって、米国で当時100万円の
Martinギター(D−28)を購入し、10ヶ月程度、分解し研究を重ねたとのことです。
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□特別限定モデル・カタログ
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J−45系のギターとして、9xxシリーズがあったようです。この「HJ−9xx」シリーズは、J−45モデルのHJ−906、HJ−908の2機種、
DOVEモデルのHJ−910があったとのこと。
スペックは、トップはスプルース単板、サイドバックは906が全合板、908は、裏板のみ単板か、全単板で、910はメイプルの合板(虎杢)でした。ペグ
はクルーソンの金属のやつだったそうです。カタログを探してはいるのですが、どうもHeadwayとしては、作っていないようです。D44Mさんより、か
つて所有されていたDOVEモデルの画像をいただきました!
HJ−908の画像はお宝ギターのコーナーにあります!
当
時、000モデルの415にカッタウェイモデルがあったそうです。製作本数は、20本程度とのこと。ボディーの型が無く、1本、1本ストーブに当てなが
ら、手で曲げたそうです。
「お宝ギター」に画像がありますよ! |
ハカランダ単板のサイド&バックを持つ、HD−530は実際の製作本数は、20〜30本程度とのことです。カタログモデルではなく、実際に製作していたと のことです。
HD-550は、オーダーメイドのプロトタイプだったようです。1982年のギターブック2月号に掲載されていた記事を公開します。
当初、1xxシリーズには、D28、D41、42系のギターデザインが統一性が無く、モデル毎に異なったりしていましたが、当初、MartinのD−28 を研究したことなどから、会社の顔である1xxシリーズは、全てのモデルをD−28系のデザインに統一させていったそうです。2xxシリーズは、 D41〜42系、3xxシリーズは、D−18系とデザインとシリーズに統一性を持たせていったわけです。6xx、7xxについては、モデルが存在しないと のことです。
Headwayギターのネックは、調整不可能なSQネックのように思われがちですが、実は、ネック調整ができるAJネックなのです。
詳細は、ここを
見てください。
□ディバイザーの99年カタログから
現在のHeadwayの総販売元であるディバイザーのカタログを見ると、Headwayという会社は、1977年に設立とあります。
ヘッドウェイ株式会社自体は、80年代中頃(83年ごろ)に事業整理をしています。この当時は、アコギが下火になり、エレキがブームになりだしたころであ
り、エレキのほうに力を入れられたということです。
このカタログの中にHeadwayのマスタービルダーとして日本でも有名な百瀬氏のプロフィールが紹介されています。要約すると、下記の通りです。
1957年 | 家具職人であった百瀬氏は、現在のフジゲンに入社。 |
1960年 | 当時の技術長と二人で独立。 |
1962年 | 林ギターに入社。 |
1977年 | ヘッドウェイ株式会社設立に参加。独特の塗装方法を日本で初めて試みるなど、良いギターづくりの飽 くなき追求が始まる。このころの名器にHD−115などがある。 |
1981年 | エレキ・ギター、ベースの製作を始める。それまで弱いとされていたネックに独自の方法で、鉄心の仕 込み方を開発した。 |
Headwayのアコギのネックは、百瀬氏が全て作っていたと聞いていますし、Headwayの音は、まさに百瀬氏が中心になって、作り上げたもの だと言うことなのでしょう。
□オーダーシート
1980
年に開始されたカスタム用オーダーシートです。
□シリアルナンバー考察
色々な資料を元にシリアルナンバーの年代推定をしてみました。今後、もっと精度を上げていきたいと思
います。シリアルナンバーは、Headway工場で作っていた全てのギターに対し、ユニークな連番を付けていました。82年頃には、Burnyブランドの
ギター製作を倒産した林ギターから引き継いだり、米国輸出モデルとして、SAGAブランドのギターを製作していました。(日本のサガとは全く別ブランドで
す。)これらのギターも含めて、同一連番のシリアルナンバーを付けていたことから、Headwayブランドとしてのギター製作本数は、5000本程度では
ないかとのことでした。
77年〜 | 78年〜 | 79年〜 | 80年〜 | 81年〜 | 82年〜 | 83年〜 | |
トピックス | 6月15日会社を設立
社員(5名) 売上げ0.7億円程度 |
1月より販売開
始? 月産30〜50本程度 |
社員数8名
売上げ1.5億円程度 |
限定モデル80S (3〜4月製造) SN:3861、3886 月産100数本 80年秋にSN5032を生産 |
限定モデル81-Artist SN:5945 SN:6488 |
社員数12名
売上げ1.8億円程度 |
限定モデルCW-117 SN:9425、9430 |
SN:1186は78年製 | 400、500、800シリーズ販売開始 (11月頃) |
8697は、1982年8月に 購入実績あり。 |
工場火災(2回) |
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SN推定 | 1〜 | 5〜(4,9,42は無し) | 1200?〜 | 3000?〜 | 5500?〜 | 8000〜 | 9000?〜最終SN:9600? |